(前半はこちら)
バスが止まって約5分。いっこうに動こうとしない。Uターンしたかと思えばまた止まった。前方には制服を着た警察か軍隊らしき人たちがいる。
バスの中には7人。日本人記者1人のほか、後で聞いたらチェコの記者1人、スペインの女性記者1人にテレビクルー4人だという。バスが前にも後ろにもいっこうに進まないので、7人はちょっとおかしいなと感じ始めていた。開会式なんだから交通規制が行われても仕方が無いが、迂回して行けばいいではないか。しかしバスはまったく動かず。
スペインの女性記者はバスが動かないんだったら外に出てタバコを吸わせてくれとしきりに言うが、たどたどしいながらも英語ができるボランティアに、外に出たら荷物を検査されると言われしぶしぶ引き下がった。
それからさらに1時間、バスは前進するでもなく後退するでもなく、そこにずっと止まり続けた。僕らも徐々にイライラしてきた。
中国人ドライバーは怒り始めて大声を出し始めるし、ボランティアの女の子はどうしたらいいかわからずおろおろしてる。君が悪いんじゃないよと言いたいが、声をかける雰囲気じゃないのでやめた。
歩いて帰るっていっても、バスから一歩出たら、全部チェックされるよと再び脅され7人はすごすごと戻る。バスの中にいるしかないのか。しかし国家の威信をかけた大イベントなのはわかるが、完全封鎖はないだろう。迂回ルートくらい用意しておいて欲しいものだ。
さらに30分、僕たちは待たされ続けたが、バスの外に出る許可は下りたようだ。外で一服するが、蒸し暑いのでまたバスに戻る。
もう12時近い。おなかも減ったし、このベタベタした身体が不快だ。などと思いながらも日中の疲れにウトウトとしていると、ドーンと突然の爆発音。事件ではないようだ。空が赤い。花火だ。
外に出てみると色とりどりの大輪の花火が夜空を彩っている。会場からやや離れた場所にいるが、開幕式に参加したような気になってきた。普段、星が見えない北京の夜空に火花が咲いている。
バスの7人とドライバーと女の子、9人はみんな外に出て花火を見上げた。15分くらい花火は続いたろうか。しばし完全封鎖状態のイライラを忘れさせてくれた。
豪華絢爛の一大ショーが終わり我に返ると、空が暗いことに気づく。ただでさえかすみがかかったような夜空が花火の煙でさらに暗くなっている。何か皮肉なものを7人は同じように感じたのか、みな苦笑いしながら夜空をしばらく眺めていた。
(右の写真をクリックすると開会式のスライドショーが見れます)

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