*この投稿は、ロイターの「インサイト」コラムに掲載された寄稿を抜粋しました。
三菱商事フューチャーズ 調査・マーケティング室室長 菅田 修司
リスクマネーの動きが活発化している。ただ、資金フローの活性化は歓迎されるべきことだが、コモディティ市場においてはWTI原油相場が期近ベースで昨年10月初旬以来の80ドル台の高値に値を上げるなど、需給面よりも金融商品市場(有り体にいえば投機主導)としての色濃さが増しており、偏った資金の集中、その結果の上昇スピードの加速等は決して喜ばしいこととは言えない。
ドル安基調の継続との前提に立つと、コモディティ市場全般の強含みの展開も続く可能性が高い。ポイントは、トレンドがより明確な市場に資金は流れやすいという傾向だ。
NYMEX・WTI市場における10月中の1日当りの平均出来高は約59万枚。1コントラクト(枚)=1000バレルであり、数量換算すると5億9000万バレルが日々取引されていることになる。
世界の1日当りの推定原油消費量は約8400万バレル(IEA)。コモディティ相場と向き合う市場関係者の間では、昨今の相場の変動について金融商品としてのウエートが高まり、株式や特定の通貨との相関性が極めて高く、一方で需給等の独自のファンダメンタルズ面から現状の価格及び今後の展開を推し測るのは難しいとの見方が多々聞かれるが、上記のNYMEX・WTIの取組内訳の面からも見てとれる。
よって、今後のコモディティ市場全般の動向を占う上では、市場センチメントやリスク指向の上昇/低下が引き続き主たるポイントとなろう。すなわち上昇局面においては、強い経済指標や景気回復観測等から来る先高期待感の高まり、リスクマネーのフローの活性化等が支援材料となり、一方の下落局面は弱い経済指標やリセッションに対する警戒感、景気に対する悲観的な見通しからくるリスクマネーの圧縮が圧迫材料となる。
また、中でもトレンドが明確なものに資金が流入しやすい反面、いったん調整となれば調整値幅も相応のものとなる点には注意を要する。
上昇後のもちあい圏においては、次なるトレンドの見極めが焦点となっている裏で、実はいかに自身の持つポジションを市場から有効に離脱させるかといった心理戦の様相も呈しており、ボラティリティ低下の一方で、市場は極めて神経質な状態にある。
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3件のコメント
現代のジョン・ローといえる男が世界でもっとも重要なFRB議長をやっているだから、投機資金がコモディティ市場に流れ込むのは当然である。例えば、セントルイス連銀の資料によるとマネタリー・ベースは、昨年、リーマンの危機が起きたとき、8000億$を少し超えた水準であったが、わずか一年後、それは、2兆$に近づいている。
- 投稿者 小林 康宏購買力の維持という中央銀行の最大の使命を忘れて、セロ金利の維持と紙幣の増刷に走っている男がFRB議長をやっているのだ。この流れは止まらない。
オバマ大統領は傑出した大統領である。彼は世界平和や核軍縮などで画期的提案を実施してきた。しかし、経済に疎いため、ジョン・ローのような紙幣の増発者を重用している。このため、ウォール街では人気を極めて短期間は得ることができるかもしれないが、一般市民の生活は悪化し、やがて支持を失うだろう。彼が優れた人物であるため、非常に懸念される。
コモディティの市場はヘッジャー1に対してスペキュレーターが9ぐらいの割合でいるのが健全とされる。つまり、市場で最も大切な流動性を創出するためには、実際の生産者だけでなく、多くのスペキュレーターも必要なのだ。
最近読んだ記事でもっとも画期的であると思ったのは、ロイターのJames Reganが書いた銅に関する記事である。(私はインターナショナル・ヘラルド・トリビューンで読んだ)それは、2012年から恒常的に世界の銅の需要が生産を上回るという記事である。これが、コモディティの需給の良さを象徴している。石油に関しても、西側先進国の生産の要である北海油田やメキシコ湾の産油量が大きく落ち込んでいる。現在生産量が増加している国は、ブラジル、カナダ(サンド・オイル)アンゴラ、カザフスタンなど数カ国に限られる。この状況では、長期的には銅や石油が値上がりするのは自然の理であるとおもわれる。(短期的には、米国の需要が極端に弱い)事実、2017年に満期になるWTIの先物は約100$で取引されている。
コモディティの長期的需給は非常によく、また、世界で最も重要な中央銀行の総裁をマネー・プリンターがやっているのだから、資金がコモディティに流入するのも当然である。
真紅さんの憂鬱よく判ります。
虚数部が肥大して行く果てに何があるか。資本論を持ち出すまでも無く、現代資本主義を支えている「信用」の破壊でしょうか。既に国家の統制を離れて独り歩きを始めた金融資本。これが人間の生きる為の最低限の資源である水の供給さえ支配しようとしております。
底辺に生きている民衆は、それを受け容れるほど寛容ではありません。多分実力でそれに反抗して行くでしょう。つまりは暴動⇒革命⇒戦争と言うシナリオです。その時、安価な核兵器が革命軍に渡るのは必然でしょう。目の前の圧力を撥ね退けるのに精一杯の彼等。戦略的な結果を予想してまで、戦術核の使用を控えるとは思えません。その結果はゾッとする様な結末を迎えるでしょう。
オバマ大統領が突如「核軍縮」叫ぶ裏には、この様なコントロール出来なくなった金融資本の暴走の行く果てを予感させる何かがあったのでしょう。ひょっとするとイラク・アフガンの戦いに中にその兆候を嗅ぎ取ったのかも知れないと思います。
- 投稿者 HANZOまあ、中央銀行がいくらエネルギーを注入しても、実部たる消費・雇用は、どうあっても過剰消費で均衡していた頃と比較すれば縮小せざるをえないのだから、虚数部たる投機にエネルギーが集中するのは自明の理ですよね。
ただ、エネルギー自体は供給し続けているわけで、その歪んだ量が膨れ上がっていく様は、10年、20年、30年といったスパンの未来への影響を考えると、私を憂鬱にさせます。
- 投稿者 真紅