コペンハーゲンで考えた東京と五輪
コペンハーゲンは石造りの建物が道沿いに並ぶヨーロッパらしい街並みだった。訪れた10月初旬は摂氏7度前後。太陽は真昼でも低く厳しい冬の訪れをうかがわせていたが、赤や緑など色鮮やかなオリンピックの看板や旗が所々に飾られ、実際の気温よりも暖かく感じられた。
2016年のオリンピック開催地を決めるIOC(国際オリンピック委員会)総会が開かれるというので、同市にはVIPに応援団、メディアなどが大挙襲来。港区と世田谷区を合わせた程度の面積に人口50万人強が住む街は、海外からの来客でにぎやかだった。
なかでも米国チームは、オバマ大統領夫妻がプレゼンテーションに出席することもあって抜きん出た大所帯で来訪。9つのホテルを借り切ったそうで、宿泊所はどこも満杯。あぶれたこちらは、洗面所にプラスチックの使い捨てコップふたつしかないホテルに170ドル(約1万5000円)も出して泊まらなくてはいけないはめになった。
オリンピック本番ではなく、開催地を決めるだけにもかかわらず、この大騒ぎ。五輪に巨額のマネーが動くようになったのと同時に、開催地決定も一大イベントと化したようだ。
東京都が五輪招致に使った費用は150億円と言われている。鳩山由紀夫首相も、政府専用機を飛ばして現地に駆けつけた。カネなしには招致がかなわないのが現実とはいえ、2016年の五輪開催を勝ち取ったリオデジャネイロ以外の都市や政府は、招致費用について、これから説明を求められることになりそうだ。
東京都はIOC総会の投票前に「Why Tokyo?(なぜ東京なのか?)」と題した会見を開いていたが、裏を返せば、なぜ東京でなくてはならないのかを簡単に伝えることは難しかったということだろう。環境を前面に出したが、スポーツと環境の結びつきもわかりにくかった。
リオのように「初めて」を売りにすることはもうできないのだから、東京の魅力を高め、東京でオリンピックを開いてみたいと関係者が思うような都市にすることが近道なのではないか。そこに環境への取り組みがあってもいい。そのためには築地市場の移転問題などをひとつひとつ解決していくことだろう。


