バーナンキ自身の出口戦略は?
米連邦準備理事会(FRB)が25日に一連の金融資金融資制度と各国中銀との通貨スワップ協定を2010年2月1日まで延長すると発表するとともに、マネー・マーケット・ファンド(MMF)向け資金供給措置であるマネー・マーケット・インベスター・ファンディング・ファシリティー(MMIFF)は、10月以降延長しないことを公表した。
マーケットの一部には、FRBが超緩和政策の出口戦略を開始したのではないかとの思惑が浮上したが、FRB高官は記者団との電話会見で、出口戦略の発動かどうかへの質問にコメントしなかった。
ただ、マーケットの中銀ウォッチャーの多くは「これまで出してきた流動性を本格的に絞ろうという意図はなさそうだ。自然体で減る部分は、無理に継続しないスタンスだろう。直ちに出口戦略を発動し、年後半か来年初めに利上げするというシナリオではない」(国内金融機関の関係者)とみている。
ところが、ここにきてFRBをリードしてきたバーナンキ議長に大きな疑惑が浮上してきた。バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)に対して、メリルリンチとの合併を止めた場合、バンカメの経営陣を更迭すると迫っていたのではないかという問題だ。
米議会の公聴会では、リッチモンド地区連銀のラッカー総裁が書いた電子メールを、議員らが有力証拠として引用した。そのメールでは、バンカメが合併から手を引いた場合、支援が必要となった際に経営陣が職を失う可能性があることを明確にする計画をバーナンキ議長がラッカー総裁に示した、としている。
25日の米下院監視・政府改革委員会の公聴会で証言したバーナンキ議長は、バンカメ経営陣を更迭すると脅迫していないと語ったが、電子メールの件では、会話の詳細について覚えていないと述べた。
ホワイトハウスは25日、バーナンキ議長の業績に信頼を置いているとの見解を示した。だが、米議会の中にバーナンキ議長への疑惑を追及し続ける動きがある中で、2010年1月に議長の任期が来る同氏の再任には、大きなハードルが現れたかたちだ。
もし、再任されない場合の議長候補として、米政界ではサマーズ米国家経済会議(NEC)委員長の名前が出ているが、オバマ大統領に近い筋からは、ノーベル経済学賞を受賞したクルーグマン氏の名前も上がっている。
超緩和政策の出口の前に、バーナンキ議長の出口が先に来ることはないだろうか。
(写真/ロイター)

