英中銀決断の意味
イングランド銀行(英中銀)が6日、資産買い入れプログラムの枠を1250億ポンドから1750億ポンドに拡大することを決めた。
いわゆる量的緩和の拡大を英中銀は決断したわけだが、市場では反対に量的緩和を休止する方向で政策が決まるのではないかとの思惑が強かった。
その結果、英中銀の決定発表後、ポンドは対ドルで1%超の下げとなる一方で、FT100種総合株価指数はザラ場の年初来高値を更新した。
英中銀は、銀行の融資抑制が消費回復の重荷になると分析するとともに、キング総裁はダーリング財務相への書簡で「信用収縮が続いている」と指摘した。
早い話が、英国における金融仲介機能が回復していないため、量的緩和の拡大を決断した、と言える。では、英金融システムでは何が起きているのか。
英当局は、英系銀の不良債権の状況に関し、詳細なデータを公表していないためはっきりしないが、日本の過去の経験からすると「不良債権額が相当に大きくなって、新たな融資を拡大するだけのリスクテーク能力がない状態に直面している」(邦銀関係者)ということが想定できる。
英国でも、住宅価格だけでなく、商業用不動産の下落が深刻で、英系銀はその経路から不良債権が増大している可能性があると、その邦銀関係者は指摘する。
米金融機関の動向に詳しいある国内金融機関の関係者も「米国でも同様に商業用不動産の下落が大きくなっており、ピーク時から30%下落している。しかし、米系銀の多くは、その関連の不良債権処理に手を付けていない。サブプライムローン(信用度の低い借り手向け住宅ローン )の危機に相当するような大きなショックがこれから来る可能性がある」と分析している。
市場には、英中銀は出口を模索するとの思惑があった。しかし、出口は見えていないのではないか。
それが米国、欧州でも同じであるなら、そう遠くない時期に市場で何らかのトレンド転換点が来るように思われるが、みなさんはどう考えているのだろか。
(写真/ロイター)


