ロイターブログ

討論×闘論

ニュースに一言!

2009年11月04日

低価格が生む「ニューファッション」

Posted by: 田巻一彦

JAPAN/日本マクドナルドホールディングスの2009年1─9月期の連結営業利益が01年の上場以来最高を記録した。

節約志向でランチ代をカットする風潮がサラリーマンに広がっているところに「コーヒーの無料配布」が実施された。客数や客層の拡大につながったと会社側は説明している。

一方でファーストリテイリングの10月国内ユニクロ事業の既存店売上高は前年比35.7%と大幅に伸びた。低価格路線がここでも消費者の節約志向に合致したといえる。

低価格を志向する消費者の一部で、ちょっとした現象が起きているらしい。ユニクロで買ったTシャツに安い材料で刺繍やパッチワークを施して「自分流」のファッションを楽しむ動きだ。

そうした手芸用品を低価格で販売しているユザワヤは最近、ターミナル周辺に進出し、大型店の撤退したスペースに店舗展開している。

ある金融市場関係者が耳打ちしてくれたことだが、最近のユニクロとユザワヤの出店したケースでは、銀座や新宿のように近くに両店舗があって、実際に先に紹介したようなユニクロの商品を買ってユザワヤの手芸用品も買うような顧客が増えているようだという。

最新の金融情報ほどには、ニューモードへの関心が低い私にとって、こうした若い女性を中心にした新しい動きは、ある意味で新鮮に映る。昔から「ビジネスチャンスは、気づいたところにある」と言われてきたが、今回も「やはり」とうなずいた。

他のビジネスでも、こうしたチャンスは、気づかれずに眠っているような気がする。

(写真/ロイター)

2009年10月09日

好調ユニクロと日本製ブランドの力

Posted by: 田巻一彦

FAST-RETAILING/ユニクロを出店するファーストリテイリングは、2010年8月期に連結営業利益が前年比10.5%増の1200億円と2期連続の過去最高益更新を見込んでいる。

低価格とファッション性を両立させた商品群で、国内ユニクロ事業が好調を持続すると見込んでいることが好決算の要因だが、この先のビジネス拡大は、アジアが握っているようだ。

柳井正会長兼社長は8日の決算発表時の会見で、アジアを最大の成長機会と位置づけ「本格的な利益貢献が始まる」と述べた。同社は2010年春には上海に世界最大規模のグローバル旗艦店をオープンさせる。

中国本土や香港などから日本国内への旅行客の中には、東京でユニクロに行き、大量に購入して帰国するパターンがはやっているという。縫製は中国で行われている製品が多いのに、どうしてそんなに人気なのか。その秘密は、ユニクロブランドが中国で高付加価値として浸透していることにあるらしい。

ある国内市場関係者によると、今、香港では日本ブランド・ブームが起きているという。香港在住者から説明を受けたその市場関係者は「衣料品や化粧品などの日本製ブランドが、かつての日本での舶来ブランドのようにもてはやされている」と話す。

さらにそのブームは、1次産品にまで及び始めているという。「果物は糖度が高く、乳製品に農薬が混入している心配もない。高級中華料理に欠かせない干しナマコも、安全性の観点から日本製の人気が非常に高まっている」と先の市場関係者は述べている。

さて、国内に購買力がなく「売れなくて困っている」と言うため息が、内需型産業から漏れている。こうした経営者は、アジアの日本製ブランドブームに気づいているのだろうか。

ビジネスは、情報の収集力と感度が重要な要素になる。今まで外国に目を向けることがほとんどなかった農業は、もっと国内商品の美点に気づいたほうがいい。アジアの消費者を意識したビジネス展開が、日本の産業に活気を与えることになると予測する。楽観的過ぎるとの反論も出てきそうだが、どうだろか。

(写真/ロイター)

2009年01月26日

もらいますか?使いますか?

Posted by: 水野文也

どうやら、このまま支給されることになりそうな定額給付金。効果を疑問視する声が多く、世間での評価は芳しいものではない。では、もらわないのかと言えば、そうではないようだ。

各メディアのアンケート調査結果では、景気対策として定額給付金を「評価しない」が6─7割。これだけみると、受け取る人が少ないようにも思える。

しかし、質問を「評価する/しない」ではなく「もらうか/もらわないか」に変えると結果は違う。支給された場合に受け取るかどうか聞いていた産経新聞によると、大半の世代で8割以上が受け取ると回答した。「評価しない」イコール「もらわない」ではないのである。

もらいますか?使いますか?

使い道について「借金の返済に回す」「そのまま貯蓄に」という人ばかりだけではなく、消費に回す人も多いとみられ、景気への効果がゼロということもないだろう。

それでも「生活防衛」が合言葉のように言われるこのご時勢。もらった給付金、「低額給付金」と悪口を言うつもりはないが、低額消費に向かうことは想像に難くない。

実際、足元の消費は値ごろ感からユニクロが好調をキープする一方、高額消費のイメージが強い百貨店が苦戦を強いられている。

一度定着した消費スタイルが簡単に変わるとは考えにくい。ある百貨店の関係者に、定額給付金について質問をぶつけたところ「何十万円も支給されるなら別だが、高い商品が売れるとは思えず、売上を大きく伸ばす要因にならない」──そう答えが返ってきた。

給付金、それなりの浮揚効果をもたらしても、消費の二極化を変えるまでには至らないのではないか。さて、定額給付金、あなたは、もらいますか?貯金しないで使いますか?

(写真/ロイター)