民主が投げつける予算編成見直し爆弾
鳩山由紀夫新代表が率いる民主党が、麻生太郎首相が総裁を務める自民党と総選挙で対決することになった。
麻生首相の祖父である吉田茂氏と鳩山代表の祖父・一郎氏は、ともに首相を務め、戦後政治の主役を演じ、激しい権力闘争を展開してきたライバル同士でもある。その孫同士の因縁の対決にスポットを当てようとする記事も目にするが、もっと別の見方も存在する。
予算編成をめぐる自民と民主の大きなせめぎあいだ。民主党は小沢一郎・代表代行(前代表)だけでなく、鳩山代表も、一般会計だけでなく特別会計も含めた約200兆円の規模の国家予算には無駄があり、10兆円規模で新たな財源をねん出できると主張する。
他方、自民党は与謝野馨財務相をはじめ、民主党の主張は根拠が薄弱で、事実に反した絵空事に近いと反論する。ある邦銀関係者の1人は「予算編成をめぐるこの対立が、実は最も大きな争点ではないか」と述べる。
今のところ、エコノミストやその他の市場関係者などの多数は「民主党の主張は、ばらまき予算を実現するための論法で、現実味が薄い」(別の邦銀関係者)とみている。
しかし、ある金融市場関係者は「自民党が官僚に予算編成権を丸投げし、無駄を省くことに無関心である点にもっと注目した方がいいのではないか」と述べる。2009年度補正予算案の中味に関しても「旧来型の財政支出を、経済危機の緩和を大義名分に維持している。その中に
は、官僚が天下った団体への支出も相当に含まれ、無駄の典型のような支出がいくつもある」と話す。
国内証券のある関係者は「公的金融のウエートが、金融危機回避の名目で膨張するなど、官の焼け太りが目立ってきている。官僚が危機を逆手に取っている」と指摘した。
先の金融市場関係者は「民主党が本当に予算編成権を見直すなら、霞が関にとっては爆弾を投げつけられることと同じだろう。しかし、鳩山代表にそこまでやり切る覚悟はあるのだろうか」という。
予算編成をめぐる2つの見方のどちらが、明るい未来に導いてくれるのだろうか──。
(写真/ロイター)

民主党の新代表に鳩山由紀夫氏が選ばれた
