ロイターブログ

討論×闘論

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2009年05月19日

民主が投げつける予算編成見直し爆弾

Posted by: 田巻一彦

JAPAN-POLITICS/鳩山由紀夫新代表が率いる民主党が、麻生太郎首相が総裁を務める自民党と総選挙で対決することになった。

麻生首相の祖父である吉田茂氏と鳩山代表の祖父・一郎氏は、ともに首相を務め、戦後政治の主役を演じ、激しい権力闘争を展開してきたライバル同士でもある。その孫同士の因縁の対決にスポットを当てようとする記事も目にするが、もっと別の見方も存在する。

予算編成をめぐる自民と民主の大きなせめぎあいだ。民主党は小沢一郎・代表代行(前代表)だけでなく、鳩山代表も、一般会計だけでなく特別会計も含めた約200兆円の規模の国家予算には無駄があり、10兆円規模で新たな財源をねん出できると主張する。

他方、自民党は与謝野馨財務相をはじめ、民主党の主張は根拠が薄弱で、事実に反した絵空事に近いと反論する。ある邦銀関係者の1人は「予算編成をめぐるこの対立が、実は最も大きな争点ではないか」と述べる。

今のところ、エコノミストやその他の市場関係者などの多数は「民主党の主張は、ばらまき予算を実現するための論法で、現実味が薄い」(別の邦銀関係者)とみている。

しかし、ある金融市場関係者は「自民党が官僚に予算編成権を丸投げし、無駄を省くことに無関心である点にもっと注目した方がいいのではないか」と述べる。2009年度補正予算案の中味に関しても「旧来型の財政支出を、経済危機の緩和を大義名分に維持している。その中にJAPAN/CHINAは、官僚が天下った団体への支出も相当に含まれ、無駄の典型のような支出がいくつもある」と話す。

国内証券のある関係者は「公的金融のウエートが、金融危機回避の名目で膨張するなど、官の焼け太りが目立ってきている。官僚が危機を逆手に取っている」と指摘した。

先の金融市場関係者は「民主党が本当に予算編成権を見直すなら、霞が関にとっては爆弾を投げつけられることと同じだろう。しかし、鳩山代表にそこまでやり切る覚悟はあるのだろうか」という。

予算編成をめぐる2つの見方のどちらが、明るい未来に導いてくれるのだろうか──。

特集「政局の行方」はこちら

(写真/ロイター)

2009年05月18日

民主党は高校野球並みか?

Posted by: 西山誠慈

jpblogdems民主党の新代表に鳩山由紀夫氏が選ばれた。岡田克也氏との一騎打ちを制しての選出だが、「鳩山対岡田」の対決について旧知の与党代議士が面白い見方を示してくれた。

「どっちが勝ってもまるで甲子園みたいだ。ピッチャーが外野にいったん行って、また戻って来るようなものだ」

春・夏の甲子園大会をはじめ、高校野球ではピッチャー交替の際に、ピッチャーがベンチに完全に退くのではなく、外野などの他のポジションに回り、試合の展開によってはまたマウンドに戻れる体制を敷くことが時々ある。プロ野球などに比べ、高校のチームはピッチャーの数が少ないための窮余の策――いわば「人材不足」だからである。

鳩山・岡田両氏ともに代表を務め、任期途中で辞任した経験がある。与党代議士の指摘は、民主党の人材不足を皮肉っているが、代表選から一夜明け、鳩山新代表が発表した新執行部人事を見ると、今回マウンドを降りた小沢前代表もまたベンチに退くのではなく、しっかりとグラウンドに残っている。代表選を戦った岡田氏は幹事長に、そして小沢前代表は選挙担当の代表代行に起用された。

前回の参議院選挙で民主党を勝利に導いた小沢氏の選挙戦術を考えれば、党としては当然の人事かもしれないが、自ら職を辞した人間が同じ組織で要職に残ることについて一般の有権者はどう思うのだろうか?

「全員野球」での政権交代を目指すとする鳩山新代表だが、新チームはWBC日本代表のように精鋭の集まりなのか、それとも高校野球レベルの人材不足の象徴なのか――。戦いの場となる総選挙はどんなに遅くとも5カ月以内に実施される。

(写真/ロイター)

2009年05月13日

衆院解散・総選挙はいつか

Posted by: 田巻一彦

JAPAN/CHINA小沢一郎・民主党代表の辞任で、衆院解散・総選挙の時期がどうなるのかマーケットの関心も高まってきた。

与党内には、16日に選出される民主党の新代表がリーダーシップを確立する前に解散するべきとの声も一部にあったようだ。13日に2009年度補正予算案が衆院を通過すれば、参院が議決しなくても30日後に自然成立する。そうなれば関連法案が成立していなくても、麻生首相は解散のフリーハンドを握ることができるという見方だ。

しかし、麻生首相は補正予算案だけでなく関連法案の早期成立を目指す姿勢を鮮明にした。新代表の下で民主党が参院で徹底抗戦すれば、関連法案は衆院通過後から60日たたないと衆院で再議決できない。6月3日の会期末までの関連法案成立は無理なので、7月下旬まで大幅に会期を延長することが予想される。

最近になって、自民党内では「7月12日の都議選との同時選挙」という思惑が一部で駆けめぐったという。「都議選では、自民と公明が別々に戦うので、同時に総選挙を実施すると、自公の選挙協力に支障がでる。常識的にはない」(与党筋)とみられてきたが、麻生首相が都議選より衆院選を優先すると発言して、疑心暗鬼が広がった。

JAPAN POLITICS

麻生首相は、解散の時期は自分で決めると言い続けてきた。いつ、解散するのか──。

6月解散・7月総選挙のシナリオでは、民主党が補正予算の早期成立に抵抗していることを大義名分にするとみられ、自民党の有力者の中には支持する声があるものの、都議選との同時を嫌う公明党の反対を押し切ることになる。麻生首相がその点をどう判断するかがポイントだ。

補正予算の関連法案や海賊対処法案などの成立を待ちつつ7月中下旬に解散すると、8月に総選挙となる。衆院議員は9月10日に任期満了を迎え、8月総選挙では任期満了の追い込まれ選挙と変わらないという声も、自民党内にある。

7月8─10日には主要国首脳会議(サミット)がイタリアで開催される。祖父の吉田茂元首相を強く意識している麻生首相にとって、サミットでのスポットライトを浴びた上で「世界の麻生」をアピールして解散するシナリオは相当、魅力的ではないだろうか。

しかし、その場合は同時並行して民主党の新代表も選挙準備を整えることになる。麻生首相の発言から目が離せなくなった。

(「特集 政局の行方」で最新関連ニュースをご覧いただけます)

(写真/ロイター)