長期金利1.5%の壁
財政支出15兆4000億円、事業規模56兆8000億円に上る経済対策。過去に例をみない国債増発が発表になったが、今でのところ長期金利は上がってこない。
国債市場の関係者からはこんな声が聞かれるようになってきた。「追加対策は織り込んだ」──。
新年度入り直後は金利上昇ピッチに勢いがあった。1.340%(日本相互証券1日引けベース)だった長期金利は、ほぼ1週間で1.430%(同7日引け)に上昇。6日の日中取引では一時1.475%を記録した。
ただ、参加者の話を総合すると「追加対策を織り込みにいった金利上昇ではなかった」らしい。
大手証券の関係者は「銀行が期初の益出し売りに動いたというのが実態で、追加対策を織り込み始めたのは8日以降」と指摘する。
8日以降の長期金利の推移はといえば、9日、10日と上昇したものの、10日に1.490%をつけてからは、むしろ低下基調をたどっており、先の関係者の話に基づくなら、7日引け値との差である0.06%(6ベーシスポイント)が、増発部分のプレミアムと言えそうだ。
今回、増発されるのは新規財源債と財投債で17兆円に迫るとみられている。2001年度以降の7年間としていた郵便貯金資金などによる財投債の一部引き受けの経過措置は時間切れとなっており、公的年金も今年度からこれまでの大口購入者の立場を降りそうだ。
新たな国債の大口の買い手はどうなるのか。この肝心の部分について、明確な答えを示してくれる市場関係者がいない。
もし、受け皿が出現しない場合でも「増発のプレミアムは6ベーシスポイント」と断言できるのか。心もとないと感じている市場関係者は、どの程度いるのだろうか。
(写真/ロイター)


