日本の活路は技術立国
*この投稿は、ロイターの「インサイト」コラムに掲載された寄稿を抜粋しました。
真壁 昭夫 信州大学・経済学部教授
最近、ニューヨークから友人がよく東京にやって来る。彼らは、日本のことを調べに東京にくるわけではない。そうではなくて、上海や香港への帰り道に、ついでに東京によるケースが多い。そうした彼らの行動は2つの要素を象徴している。
1つは、中国など東アジア地域の重要性が顕著に高まっていることだ。そしてもう1つは、日本の相対的地位が明らかに低下していることだ。
結論から言うと、彼らのわが国に対する認識は、一般的にわれわれが考えている以上に厳しい。「政治が旧態依然とした状態になり、何をしようとしているのか分かり難い」「企業の中には高い技術力を持っているところがあるのだが、企業経営者は変革に対して消極的」などの指摘が多い。
そして「今のままだと、日本は、他のアジア諸国のダイナミズムに置いていかれる可能性が高い」「現状では、オーバーウエイトするほどの投資妙味は感じない」という辛口の見方もあった。
あるアナリストは「米国の企業は成長することを目的として活動しているが、日本企業には、別のパラメーターがあるのだろう」と指摘していた。彼は、中国や韓国などの企業には、変革に対するバイタリティーがあると強調していたのが印象的だ。
1980年代、世界市場を席巻(せっけん)した半導体分野では現在、わが国企業の劣勢は隠すべくもない。同じことが、液晶などの分野でも起こりつつある。さらに世界のトップに君臨する自動車の分野でも安穏としてはいられない。
それでは、どのように活路を開くべきか。
日本企業が持つ技術の優位性をうまく生かすことができれば、人口減少・少子高齢化が進む社会を支えるだけの原資を稼ぎ出すことは可能だろう。
問題は、韓国や中国で作ることができない製品を、間断なく開発する能力を維持できるか否かだ。それには国全体が、そうした意識を持つことが大切だ。民主党政権の役割は重いことになる。
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