堅調なGDPをどう読むか
16日朝に発表された2009年7─9月期国内総生産(GDP)は、ロイターによる市場予想の前期比・年率プラス2.9%を上回るプラス4.8%だった。驚いたのは、好調が予想された外需の寄与度プラス0.4%を上回り、内需の寄与度がプラス0.8%になったことだ。
個人消費が前期比プラス0.7%と予想外に強く、多くのエコノミストは自動車や家電製品への政府の補助制度が後押ししたとみている。この部分は今後、緩やかに減速するとみられるが、設備投資も同プラス1.6%と大きく伸びた。
これは外需が年初よりも強く、輸出の好調が継続すると見た製造業の設備投資意欲が強いことを示している。設備投資の先行指標である9月機械受注をみても、この先の設備投資の動向はしばらく堅調さを保ちそうだ。
中国を中心としたアジア経済の成長が、年初の見通しよりも強く、エンジンが全開になりきれない米欧に代わり、新興国が世界経済をけん引していく構図が、予想よりも早く現実化しているとも言えるのではないか。
複数のエコノミストは、10─12月期も前期比プラス成長が継続すると予測。年明けも1─3月期までは、現在の成長ペースが続く可能性があるとの声も出始めている。
しかし、16日の東京市場は、GDPのデータに反応せず、日本経済に対して過度に悲観的であるようにみえる。最近の東京株式市場は世界の主要株式市場と比べ、上値が重くなっており、株価の動向を見ると、二番底に近い景気低迷を予想していると読める。
だが、現実のデータは逆に日本経済がしぶとく粘っている様子を示している。少なくとも年内に景気が失速する可能性は相当に低く、これは年初の政府や日銀などがみていたシナリオの中では、かなりよいパターンをたどっているのではないか。少なくとも一部の海外勢が言うように「日本経済はお先真っ暗」ではないように思える。
マーケットがデータを織り込みに行くのか、それとも悲観論がさらに台頭するのか。みなさんはどうみますか。
(写真/ロイター)


永野 護 名古屋市立大学大学院教授、三菱総研客員研究員